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賃貸管理について理解を深めるためにおさえておきたいのが「賃貸管理業法」です。賃貸管理業法とは何か、どのような内容なのかなどについて解説します。
賃貸管理業法は、2021年6月に施行されたものであり、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律です。200個以上の管理戸数を持っている管理会社は、国に登録をしなければならないと定められました。良好な居住環境の確保を図ることを目的として定められています。
近年は、単身世帯や外国人居住者などが増えたことに加え、賃貸住宅志向が高まり、賃貸住宅の需要が高まりました。それに伴い、管理業者とオーナー、さらには入居者とのトラブルが増えています。そこで、管理業務の適正な運営と、借主・貸主の利益保護を図る目的で定められた法律です。
賃貸管理業務の委託を検討しているのであれば、どのような法律なのかについて確認しておきましょう。以下のような内容の法律です。
これまで、特に不動産賃貸管理業に関する登録は不要だったのですが、想定管理戸数が200以上となる場合は、国土交通省の登録が義務付けられました。 「棟」ではなく「戸」なので、1棟の集合住宅に15戸入っている場合、15戸と数えます。
新規登録時の登録免許税は9万円で、登録は5年間有効となるので、5年が過ぎる前に更新が必要です。無登録営業には、1年以上の懲役または100万円以下の罰金刑が科せられる可能性があります。さらに、事務所ごとに有資格者や実務経験者を1人以上置かなければなりません。
登録できない条件もあります。
想定管理戸数が200以上だったとしても、上記に該当する場合は登録ができません。
契約締結前に管理業務の内容や実施方法などについて説明が必要です。この際、書面を交付しての説明が求められます。さらに契約締結時についても、契約内容などに関することが記載された書面を交付しなければなりません。なお、オーナーの承諾がある場合、デジタル文書による対応が認められます。
登録賃貸住宅管理業者になると、財産の分別管理が求められます。そのため、自社の財産と、オーナーから預かっている賃料・敷金などの財産は別にして管理する必要があります。
登録賃貸住宅管理業者はオーナーに対し、定期的に報告をする義務が定められます。管理業務の実施状況などに関する報告です。
また、オーナーなどから求められた内容についても報告することが望ましいとされています。管理業務報告書のデータを適切に保存することも重要です。
上記の義務に違反した場合は、業務改善命令などの行政処分を受けることがあります。また、場合によっては業務停止命令や登録の取り消しに繋がるケースもあり、その情報は全国へ公開されます。
業務停止や登録取消処分を受けている状態で不動産賃貸管理業務を行った場合は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の刑事罰が適応される可能性が高いです。